コロナの影響でリモートワークに切り替わり、普段は忙しく仕事をしている人も、普段ならそこまで忙しくない人も、余暇に充てられる時間が増えているそうです。
いざ時間があっても何をしたらいいかわからない、仕事をしているほうがいいということもたまに聞きます。
コロナで休業を迫られている自営業者であれば切実な悩みですが、会社員で固定給が守られている方であれば、贅沢な悩みなのかもしれません。
何をしたらいいのかわからないとか、暇だからとぼーっとするのは、時間の価値というものがいまいちピンと来ないからということに理由があります。
ハードワーカーな人ほど、時間があるなら仕事をしたいと言いがちですが、これは、時間よりもお金に魅力を感じるバイアスがあるからです。
よく、日本人は忙しい人ほど仕事ができる人と思われがちで、だから忙しい自慢なんかするんだと聞きます。忙しいことは本当は自慢でもなんでもなくて、時間を管理できない無能をアピールしてるだけだーっている例のあれですね。
でも、日本人に限らず、欧米人だって同じように多忙な人は要職にある人だというバイアスは同じようにあります。忙しい自慢は、万国共通です。フランス人やドイツ人は休暇が長いと言われますが、国民全員が等しく休暇を取っているわけではありません。忙しい人は忙しい。
そんなわけで、時間の価値を見直すべきだということで、家事や雑事にお金を払ったり、交通手段を乗り換えが多い電車ではなくタクシーにするといったことが言われます。
モノにお金を使うことはできても、家事や雑事や移動にお金を使うのは、怠け者だと思われたり浪費家だと思われるといった思いこみから、こういうお金の使い方ができない人が多いけど、それは間違いだというものです。
確かに、一理あります。過労死するほどのハードワークで、思考停止していたり、家庭を一切省みずに仕事だけを休みなくやっているような人は、もっと別の時間を作るために、お金を時間で買うべきなのでしょう。
こういう人はたいてい、「いつか来る充実した休みのある未来」を夢見て、暇になるわけない(むしろもっと忙しくなる)のに、必死に頑張るわけです。そういう人は、休息をお金で買うべきでしょう。
ただ、そもそもこの発想は、仕事をライフワークではなく生きるためのライスワーク(つまりゴハンを食べるための労働)と捉えている人の考えでもあるように思います。
起業家の多くは、自分でやりたいと思うことに時間を使い、それが結果的に事業となって成功しています。自分が本当はやりたくないことを、ただ日々のお金を稼ぐためにやっているわけではありません。
私は、発想としては、
辛い仕事に時間を費やしてお金を稼ぐことに執心せずに時間をお金で買おう、
ではなく、端的に、
自分が楽しいことに時間を使おう、ライスワークに時間を使うのは止めよう
の方が良いのではないかと考えています。
もちろん、ゴハンを食べるために嫌な仕事でもやらないといけないという方もいると思います。でも、そういう方こそ、その嫌な仕事を止めて自分のやりたいことを仕事にできるために時間を使う、という視点が大事なのではないかと思います。やりたい仕事なんてないと突っ込みを受けそうですが、少なくとも、あなたが大嫌い仕事も世の中には好きでやりたい人は一定数いると思いますし、その逆もまたしかりです。
私は弁護士という仕事は好きでして、弁護士だけに留まることはないにしても、軸足は弁護士に置いておきたいと思っています。仕事も、半分くらいは仕事ではなく趣味みたいなものだと思っています(もちろん超真剣な、人助けという趣味です)。
ですから、私が、「忙しそうですね」と聞かれたときに、「全然忙しくないですよ」と答えることがありますが、これは忙しすぎて頭が馬鹿になっているわけではなく、楽しんでやってるからそう感じるだけで、本心です。
逆に私が、「忙しい。。。」とつぶやいているときには、本当にその仕事をやりたくないときです。
ですので、そういうときは、甘いものでも差し入れしてあげてください。
ではまた(^^)
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