失敗か、間違いか

コロナウイルスの対策のために、スーパーをイニシャルで入場規制するといった噂が出たりと、コロナウイルスにまつわる混乱はまだまだ続きそうですね。

これほどの感染症の流行はこれまでなかったこともあって、予測が難しく、国や地方公共団体の対策も、民間レベルの対策も、やってみないとわからないという側面はどうしてもあります。

みんな自宅でじっとしてストレスが溜まっているので、対策がうまくいかなかったときには、結果論でいろいろと批判しがちです。

仕方ない面もありますが、「失敗」と「間違い」は、きちんと区別しないといけません。

 

うまくいっている企業では、「失敗」は批判の対象ではなくて賞賛の対象にするべきという文化があります。

「失敗」は、新しいことを始めたり、問題解決を行うときに、きちんと結果を得るための仮説を立てたうえで、それを実行する過程で必然的に生じるものです。必然的に生じるものですから、結果が出なかったのは、むしろ成功に近づいている(仮説のうちの一つをつぶしてほかの可能性を高めた)ということなので、「よくやってみたね!」と褒められることです。

よく言われるエジソンの「失敗したんじゃない、成功に近づいたんだ!」っているアレですね。失敗は成功の種というわけです。

 

これに対して「間違い」は、仮設も立てずに実行した結果うまくいかなかった場合です。いわば思い付きの出たとこ勝負をして駄目だっただけです。次の人がそこから何も学ぶこともできない、ただの無駄な行為だったという訳です。

この二つをきちんと区別すると、思い付きだけの税金の無駄遣いの対策なのか、仮説を立てて実行したけれども残念ながらうまくいかなっただけ(=別の対策のほうが有効であることが分かった)なのか、少しわかると思います。

そうしたら、もう少し、まわりで行っている対策に対しても、怒りが抑えられるのではないでしょうか。

 

この区別をせずに、失敗した人を責めることで、交渉が頓挫することが往々にしてあります。

目の前のうまくいかなかった結果が、失敗によるものなのか、間違いによるものなのか、注意してみてみましょう。

 

さて、世帯に二枚のマスクを配られた例の件ですが、何百億も使ったわりには汚れたものが混じっていたり、サイズも小さかったりと、とにかく使いにくいので、コロナウイルスへの感染を防止するという目的からすると、成功とは言えないように思います。

ではこれは、「失敗」でしょうか、「間違い」でしょうか?

 

ではまた(^^)

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