お手伝いと優しさの押し付けについて

困っている人を見るとお手伝いをしたくなるのは、素朴な感情ですし、そういう光景をみると微笑ましく感じますよね。

弁護士の仕事も、基本的には何か法律問題でお困りの方がいて、その方をお手伝いするというものなので、困っている人のお手伝いが好きな人が適正のある人ということになります。

 

かくいう私は、困っている人を見ると放っておけない、というほどのボランティア精神にあふれてはいないのですが、まあ困ってそうだなと思うと、自分のできる範囲で声をかけたりかけなかったり、まあだいたいかけないかな、かけないよなって感じです。

 

困っている人には積極的に声をかけようと、小学校で習ったような記憶もありますが、助けを求められてもいないのに、手を差し伸べるというのは、実はあまり良くないのかもしれません。

 

困っているように見えても、実は全然困っていないこともありますし、困っていたとしても自分でそれを乗り越えることでレベルアップをしようとしているかもしれません。そういう人に対しては、手助けをすることは、「大きなお世話」になる可能性が高いです。

手助けをしようとする人も、その人が何に困っているのか、本当のところはわからない部分が多いので、あまり役に立たない(どころか邪魔になる)可能性があります。

 

何より、手助けをしてもそういう人からは感謝されないので、手助けをした方も気持ちよくありません。別に感謝されたいから手助けをしているわけではないでしょうけど、手助けした結果微妙なことを言われると、もう手助けしようという気もなくなりますしね。

 

同僚間で手を貸した場合の相手の反応について調査したある報告によれば、助けを求められていないのに手助けをした同僚は、求められて手を貸した同僚たちに比べて、相手に感謝の気持ちを示される確率が低い結果がでたそうです。手助けをした同僚も、相手に頼まれて手を貸した場合に比べて、何が問題か明確に理解できていないと感じたそうです。

 

問題は、困っているように見える人が、本当にそうなのか、手助けを求めているのかということが、外から見てもはっきりわからないということです。

そうであれば、結論としては、「大きなお世話」にならないように、相手が手助けを求めてきたときに、喜んで手を貸すというのが一番よさそうです。

ただ、手を貸してほしくてもそう言い出せない人もいます。

なので、さらに一歩踏み込んで、困っているときに手を貸してほしいと言える環境をつくること、何かお手伝いができることがないかということを質問して、相手がお手伝いが不要であれば気兼ねなく断れるような環境を作ることが、ひとつの解決法になりそうです。

 

私が専門とする交渉においても、お互いに相手が重要と思うものを与え合うということを本質にしています。相手が何を重要とみるのかはわからないので、相手のために交渉のお手伝いをすること、相手のために何かできないか積極的に質問をすることが重要であると、説明しています。

 

やさしさの押し付けにならないように、いつでも求めがあれば手伝うよ!というオープンな態度が一番よさそうですね。

 

というわけで、私の目の前でいかにも困っている人に声をかけない様子を見かけたら、冷たい人とは思わずに、優しさを押し付けないという優しい人だと思ってくださいね。

ではまた(^^)

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コメント

    • ダンサーK
    • 2020年 5月 29日

    私は困っている人を見ると放っておけないタイプです(^^;;
    夜遅くに道端にずっと立ってたおばあちゃんに「おばあちゃんどうしたの?迷ってるの?」って声をかけたら、「ここで娘の帰りを待ってるの」って言われました。これぞ大きなお世話ですね。アメくれましたけど笑
    私は、手助けを必要としない人の方が「必要ない」と言えば良くて、大きなお世話かもと思っても、助けを必要としている可能性が少しでもあるなら声をかけたいと思ってしまいます。。

      • 中嶋俊明
      • 2020年 6月 18日

      ダンサーKさん
      いつもコメントありがとうございます(^^)

      >大きなお世話かもと思っても、助けを必要としている可能性が少しでもあるなら声をかけたい
      とても優しい考えで良いと思います!
      ダンサーKさんは、人がお困りの状況に敏感だと思われますので、手を差し伸べた場合のほとんどは、本当に助けを必要としている方だと思いますよ。
      どうかそのままでいてください(^^)

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